グルコースとガラクトースの吸収障害

グルコース-ガラクトース吸収不良症は、代謝異常の中でも特に重要な希少な遺伝性疾患です。この病気は常染色体劣性遺伝の形で遺伝し、病気が現れるためには両親から欠陥遺伝子を受け継ぐ必要があります。腸管でのグルコースとガラクトースの吸収が欠如することは、栄養素の適切な利用が体の健康な機能にとって基本的に重要であるため、深刻な結果をもたらす可能性があります。

この病気の背景には、ナトリウム/グルコース共輸送体1（SGLT1）を制御するSLC5A1遺伝子の変異があります。この輸送体は、正常な状況下ではグルコースとガラクトースが小腸から腸細胞に移行することを可能にします。しかし、遺伝子が変異すると、輸送体の効率が低下または消失し、栄養素が腸内に蓄積し、水分保持を引き起こすことになります。その結果、浸透圧性下痢が発生し、さらなる合併症を引き起こす可能性があります。

グルコース-ガラクトース吸収不良症は、早期発見のために適切な注意と専門知識を必要とする診断と治療を要する状態です。

グルコース-ガラクトース吸収不良症の症状

グルコース-ガラクトース吸収不良症の症状は、通常、新生児期に現れます。これは、赤ちゃんが初めて母乳または乳糖を含む粉ミルクを摂取したときです。最も特徴的な症状には、重度の水様性下痢が含まれ、これが著しい脱水と電解質異常を引き起こす可能性があります。これらの異常は、低ナトリウムおよび低カリウム血症、さらに代謝性アシドーシスを伴うことがあり、重症の場合は生命を脅かす状態を引き起こすことがあります。

下痢の症状は、患者がグルコースとガラクトースを含まない食事を摂取することで消失します。診断が遅れる場合や、最初の兆候が軽度である場合もあることに留意する価値があります。これは、SLC5A1遺伝子の変異が異なる程度の機能喪失を引き起こす可能性があるためです。部分的な機能喪失の場合、SGLT1輸送体はある程度機能することがあるため、症状が後に現れるか、軽度の形で現れることがあります。

まれに、問題が新生児期ではなく、幼児期や子供の時期に明らかになることがあります。これは、子供の食事中のグルコースとガラクトースの量が徐々に増加する場合に特に起こります。この場合、症状は慢性的な下痢、発育の遅れ、再発性脱水の形で現れることがあります。

診断と検査のプロセス

グルコース-ガラクトース吸収不良症の診断は特別な注意を要します。この病気は希少であるため、しばしば他の状態と混同されることがあります。重要なのは、特徴的な症状が現れたとき、たとえ病気が希少であっても、グルコース-ガラクトース吸収不良症の可能性を考慮することです。特に、親静脈栄養を行わなければ改善しない難治性の水様性下痢に注意が必要です。

診断を確定するには、血液検査が必要です。最初のステップは、便の浸透圧と還元糖の存在を調べることです。グルコースまたはガラクトースを投与した後、便中に陽性反応が期待されます。この検査は新生児期には実施できませんが、後に現れる形態では適用可能です。

分子遺伝学的検査では、SLC5A1遺伝子の変異を検出し、診断を確認する必要があります。重要なのは、鑑別診断の過程で他の先天性吸収不良症候群、例えば先天性乳糖不耐症や先天性塩化物下痢を区別することです。

病気の合併症と治療の選択肢

グルコース-ガラクトース吸収不良症には多くの合併症があり、これらは急性および慢性の問題の2つの主要なグループに分けることができます。新生児および乳児期に最も一般的に見られる急性合併症には、重度の脱水が含まれ、これが低血液量ショックを引き起こす可能性があります。さらに、低ナトリウム血症や代謝性アシドーシスなどの電解質異常も発生することがあります。

慢性的な吸収不良の場合、長期的な結果には発育の遅れ、栄養失調、ビタミンおよびミネラルの欠乏、免疫系の弱体化が含まれ、これにより子供は感染症にかかりやすくなります。神経認知の発達も、慢性的な低血糖、栄養失調、および脱水の結果として遅れる可能性があります。

この病気の治療は、グルコースおよびガラクトースを含まない食事を生涯にわたって必要とします。母乳および従来の粉ミルクを完全に排除する必要があり、食事の違反は急速に重度の症状を引き起こす可能性があります。代替の炭水化物源としてフルクトースを使用することができ、これはGLUT5輸送体を介して吸収され、病気の影響を受けません。フルクトースベースの特別な乳児用粉ミルクも入手可能で、栄養摂取に役立つことがあります。

病気が早期に発見され、適切な食事が守られれば、予後は良好です。子供たちの正常な身体的および精神的発達が期待できますが、遅れた診断の場合、慢性的なエネルギーおよび水分不足により発達と幸福のリスクが増加します。グルコースおよびガラクトースを含まない食事の導入は、予後を大幅に改善し、合併症を回避するのに役立つ可能性があります。